見たいキーボードがあった(見たかっただけ)のでヨドバシカメラへ行ったら、あれよあれよという間に、なんか違うキーボードを買ってしまった。
今日はそんな話です。
せっかくなので気に入ったところ、気に入らなかったところ、徹底的に書いてみようと思います。
ちなみにこいつは今……
家族のPCに接続されています。
買ったのはタイプライター風のメカニカルキーボード!
今回購入したのはHKW Technologyという会社のWE-TYPKBJIS-ANというキーボード。
公式サイト貼りたかったんですが、…ないのか?
スペックは↓。
- メカニカル(青軸)
- 有線(USB)
- 日本語配列109(かな印字有)
- テンキーあり(テンキーはいるやろ)
- お値段2万円弱(高すぎ)
見た目は↓こんな感じ。
カラーバリエーションにシルバーとアンティークがあり、ヨドバシで見たやつはシルバーだったんですが、僕が購入したのはアンティーク。
シルバーはねー…
なんかギラギラして安っぽい感じがしたんですよねー。
なので実物見てないけどもアンティークを選びました。
Amazonの画像を見ると↓こんなです。
(左がアンティーク、右がシルバー)
ギラギラしてるでしょ?
タイプライター風ってな何や?
自作界隈の話題なのでマニアックにいきますが、僕は初の自作PCがAMD K6-2 266MHzという、まぁおっさんもおっさん。
それでもタイプライターの実物は見たことがありません。
タイプライター風って言われてどんな音がしそうか、なんとなくイメージできるんですけどね…。
実物は↓こんな感じみたいです。
打鍵音もキーの形状も、今回のキーボードに割とそっくりです。
こういうのがタイプライター風。
メカニカルって何や?
詳しいわけではないので話半分に聞いてください。
メカニカルというのはキーボードのキースイッチの種類です。
簡単に言うと「カチャカチャ」鳴るキーボードです。
ZoomやらSkypeしながらタイプしてると、
うるせえええ!
って言われるのがメカニカル。
今回のは「青軸」と呼ばれる、特に「カチャカチャ」うるさいキーボードです。
新調予定はなかったのに買わせてしまうほどの圧倒的存在感!
良いところをはやく言いたいので、良い所→悪い所→再び良い所、の順でやっていきたいと思います。
まずは良いところ!
ハンパない重量感!
公式サイトがなさそうなのでAmazonのページで確認すると、このキーボード、1.8kgもあります。
今使ってるSteelSeriesのApex M500というキーボードは1.24kg。
およそ1.5倍です。
見た目のせいなのか、体感ではもっとずっしり来ます。
ちょっと位置をずらすにも、その存在感を主張。 キーボードは頻繁に動かすものじゃないので、重量がひたすら高級感に貢献してます。 テンションあがる。
見た目もですが、この重量感が一番気に入っています。
写真などで分かりやすく伝える方法がないので、気になる人はぜひ店頭で確認してみてください。
重さまでかっけー。
キーの印字はレーザー刻印!
キーに印字された文字が、使い続けても薄くならないレーザー刻印だそうです。
見てください、このレーザー印字の高級感!
…って言われてもよく分かんなんないですね。
僕にもよく分かんないです。
キー表面の質感?の内側に印字されてるみたいに見えるんですけど、それがレーザー感なのか…。
僕ではただの綺麗なキーとしてしか評価できませんが、印字が薄くならないのはいいですね。
箱が無駄に立派!
こうやって見るとただの黒い箱。
(写真が下手くそ)
拡大すると僕の写真でも少しは高級感を伝えられるかも。
中はこんな↓感じ。
使用した感想と不満点
打鍵感は最高!けどやはり重い…
カチャカチャ具合は非常に好み。
が、キーが重いです。
(物理的に重いという意味ではありません)
なんというんでしょう。
押した時の感じがけっこう独特で、1~2ミリくらいキーを押したところに境界があって、それ以上押し込むと「カチッ」と押した手応えがあります。 この「カチッ」に抵抗を感じるため、慣れていないうちは「重い」「押しにくい」と感じました。
すぐ指が疲れます。
さらに、この「カチッ」を乗り越えないとキーを押したことにならないので、いくらか押し損じもありました。
これはキーボードの性質ではなく、青軸というキースイッチの特徴らしいです。
キーがわずかに高い
机に手の根元を置いてタイプするせいか、机からキー上部までの高さがものすごく気になりました。
SteelSeriesのApex M500は、スペースキーの位置が机から28~29mmくらい。
対して、このタイプライター風キーボードは30~31mmくらいです。
たった1~2mmの差なんですが、これのせいで「キーがいつもより遠い」という感覚がものすごく強かったです。
慣れればなんてことはないんでしょうけども、打ちにくかった。 思った位置とちょっとずれます。 キーが奧に数mm引っ込んだ感じ。
パームレストが欲しくなります。
キートップのへこみ方が違う
キーって指が場所を認識しやすいように?、少し凹んでます。
このタイプライター風キーボードも例外ではなく凹んではいるんですが、ちょっとへこみ方が違います。
通常のキーは手前と奥が下がって左右が高い凹み方なのに対して、こいつは周囲がぐるっと同じ高さで中央が少し凹んでいます。
真横から見ると↓こんな。
フラットなんです。
これのせいか、無意識でキーを探す時に収まりが悪いと言いますか、いつもと違う形状にたぶんちょっと迷いが出てるんだと思います。 キーが円形なのも関係してそう。
この迷いの時間分、ちょっとタイプが遅れます。 ストレス。
まぁ、これはタイプライターを再現したが故の結果だと思うので、「タイプライター風キーボードが欲しくて買ったくせに何言うてんねん!」と言われれば…
いぐざくとりー!
にしてもかっこいいな!
このアンティーク色!
(逃げ腰)
スペースキーが小さい
スペースキーは明らかに小さくなりました
元のキーボードが11cmくらいなのに対して、タイプライターは6cmくらい。
明らかに違います。
このせいで短期間の使用ではスペースキーの位置を指が迷っているのがはっきり分かりました。 僕はスペースキーは左手の親指でキーの真ん中くらいを押すのであまり影響はないと踏んでいたんですが、けっこう迷ってたっぽい。
ただ、これは優劣ではなく完全に好みの問題で、キーボードの王様リアルフォースはさらに短いスペースキーです。
リアルフォース他とのキーを押した感じの比較
これだけたくさんのキーボードが世に溢れているとぶっちゃけ選びたい放題なわけでして、その中でも明暗を分けるのはこの「打鍵感」ではないかと思います。
というわけで、手持ちにあった以下の4つのキーボードの打鍵感を…
動画で!
ご紹介したいと思います。
検証に使ったキーボードとキーの種類
タイプライター風:WE-TYPKBJIS-AN
今回のキーボードです。
分類的にはメカニカルキーボードで、その中でも【青軸】と呼ばれるタイプ。
音の特徴としては「カチャカチャ」、かなり大きな音が鳴ります。 次に出てくる【赤軸】も「カチャカチャ」ですが、あえて区別するなら青軸は「カションカション」という感じ。
押した時の感じがけっこう独特で、1~2ミリくらいキーを押したところに境界があって、それ以上押し込むと「カチッ」と押した手応えがあります。 この「カチッ」に抵抗を感じます。
SteelSeries:Apex M500
Apex M500もメカニカルキーボードで、こちらは【赤軸】。
(青く光りますが赤軸です)
音は同じく「カチャカチャ」。
それほどうるさくありません。
押した感じは、青軸にあった「カチッ」という感じはなく、スムーズに沈みます。
東プレ:リアルフォース
キーボード界の頂点に君臨するリアルフォースです。
キーは【静電容量無接点方式】というタイプ。
調べてると「メカニカルと静電容量無接点方式は別」のように分類しているのを見かけるんですが…
どうも正しくは「メカニカルの一種の静電容量無接点方式」という分類みたいです。
打鍵感は「スコスコ」といった軽快な感じと言われています。
個人的な印象としては「スコスコ」するのはスペースやエンターのような大きめのキーだけで、その他の小さいキーはちょっと「ぶにゅぶにゅ」した感じがします。 メカニカルというよりは低反発なメンブレン(次に出てきます)といった感想(めっちゃ怒られそう)。
音は赤軸よりさらに控えめで「カタカタ」みたいな感じ。
押した感じはスムーズに沈むタイプで、赤軸よりちょっと重く、キーを押してる感じがしっかりあります。
素性不明:メンブレン
家族のPCにささってたやつを借りてきました。
とにかく低価格で作れるらしい【メンブレン】というタイプです。 穴の中にゴムみたいなのが見えます。
自分で選んで買わない限りは、刺さっているキーボードはだいたいこれでしょう。
音は…なんだろこれ…
「ぶにゅぶにゅ」?
あまり軽快な音はしません。
押した感じも「ぶにゅぶにゅ」で、一番不満だったのが「押した底が分からない」という点。 押し切っても「ぶにゅっ」としてて、手応えが気持ち悪いです。
素性不明:パンタグラフ
ノートPCに使われている薄っぺらいキー、パンタグラフです。
打鍵感は浅く、軽快に「ポチポチ」します。
音も「ポチポチ」。
割と嫌いじゃないです。
冒頭で「見たいキーボードがあって」と言いましたが、あれはこのパンタグラフを採用したロジクールのCRAFTというキーボードが見たかったからでした。
(タイプライターのせいで見るの忘れて帰ってきたわけですが)
実際にタイプしてみた動画
ついでなのでキーの重さを量ってみた
「キーの重さ」なんて言うもんだから、キーボードからキートップを外して重量を量ってみました。
(そういう意味じゃない)
タイプライター風のやつは明らかに金属色なので、どれくらい重いのか気になります。
SteelSeries Apex M500のキー重量
1.0gジャストです。
東プレ リアルフォースのキー重量
こちらも1.0gジャスト。 高級キーボードだからと純金でできてるとかそういうわけではありません。
素性不明 メンブレンのキー重量
またまた1.0gジャスト。 安物キーボードだからと(略
タイプライター風キーボードのキー重量
1.0gジャスト…
!?
いや、実は手に持った時に分かってました。
キー周囲の光沢は金属っぽくひんやりしてるんですが、重量は変わらないみたいです。
素性不明 パンタグラフのキー重量
0.0gジャストです。
いや、えっ!?
最小表示が0.5gらしいので、0.5g越えるまでキーを載せてみて、載せた枚数で割ってみようと思います。
4枚乗せました。
変わらず0.0gです。
Apex M500のキーを追加で載せると1.0gです。 つまり4枚合わせても0.1g未満。
さすがに全キー載せれば0.5g越えそうですが、ここで断念しました。
なぜならどう見てもキーを元に戻せそうになかったからです…
パンタグラフのキー、めちゃくちゃ複雑な仕組みで取り付けられていて、とても元に戻せそうにありません。
「レビューのネタにちょうどいいわ」くらいの不純な動機で外すと、取り返しの付かないことになります。
(なりました)
今回のキーボードをオススメしたい人、オススメできない人
あんたにはおすすめ!長時間タイプしない人
ネットサーフィン、動画、その他、とにかく長時間キーを打たないそこの君!
おすすめです。
圧倒的な高級感!
触れるたびに実感する重量感!
タイプするたびに感じる確かな打鍵感!
買いなさい。
誰かに魅せるためのおしゃれキーボードとしては最強クラスでしょう。
おまけに、こいつ。
華麗に光ります。
気になるあの子を呼んだ時には、まずは部屋の電気を消して、起動する時のイルミネーションを見せてあげてください。
ドン引きして回れ右、間違いないです。
電気消した時点でドン引きです。
ただし、起動時のイルミネーションはほんとかっこいいです。
エンジニア、ブロガー、ゲーマーはリアルフォースを買おう
長時間タイプするのには向いていません。 ミリ秒単位のレスポンスを要求される操作にも向いてないと思います。 買ってもいいけど程なく「タイプライター風オブジェ」へと役割を変えることでしょう。
素直にリアルフォースを買いましょう。
それでもこのビジュアルに魅せられてしまった君。
買いなさい。
気持ちはとてもよく分かる。
ちなみに僕はリアルフォース派ではありません。 でも人に勧める時はリアルフォースにしてます。
買いなさい。
それでも思わずポチってしまうほどの存在感!
存在感。
このキーボードの良いところはとにかくこれにつきます。 ほんと。
僕はね、キーボードというのは「相性さえよければどれもが最強になる可能性を秘めてるデバイス」だと思ってるんですよ。
「モノの善し悪し」が優劣を決めるのではなく、「本人に馴染むかどうか」。
これが全てです。
逆に言うと慣れてないのはどんなに高級品だろうがゴミです。
買ってから指に馴染ませる期間があって、脳から指、指からPCへとシームレスに情報伝達が出来るようになって初めて「オレのキーボード」と呼べます。
この慣れの期間があるせいで、新しいの買う時はほんと慎重になるし、同じメーカーの後継機だからと言って必ず同じ感じでタイプできるわけでもないし、ましてや衝動買いなんてもってのほかですよ。
ありえない。
そんなオレに衝動買いさせたキーボードがコイツだ!
それだけの存在感をヨドバシの片隅で放っていました。
買いなさい。